富士の頂から圧倒的なスケールで昇り行く、見るものを畏怖させる驚景！

土は金（鉄＝金属）を育み、金はその表面に水を生じ、水は木を育て、木は燃やすことで火となり、火は燃え尽きて灰となり土に返る――この教えは陰陽五行説の良い気の流れ（相生）を説くもので、これこそが自然界の正しい循環であり、生きとし生けるものの恵みとなります。梅雨の時期に撮影された『奇跡の写真〜富嶽黄金龍〜』は、土を富士、黄金の龍を金、龍がもたらす雨を水と置き換えれば、まさに陰陽五行説の相生の流れそのものが現れた瞬間と言えましょう。

黄金の龍が霊峰から立ち上がるとき

標高3776メートル、日本一高い独立峰 富士山近辺には、他では見られない不思議な形の雲が発生します。富士山上層部は気流が複雑に入り組んでいるため、広い平野部に集まった空気と周りの水蒸気が斜面に沿って上昇し、独特な雲を作り上げます。特に「笠雲」「吊るし雲」が有名ですが、気温、湿度、風量、風向き、気圧配置などの諸条件が揃わないと発生しないため、現れた時はニュースとして取り上げられます。

私が撮影に訪れたのは例年になく梅雨が長引いた時期で、普段大勢のカメラマンがスタンバイしている撮影地には誰もいませんでした。到着後しばらく経つと、富士山左側に大きな吊るし雲が現れました。上層には笠雲も発生し、吊るし雲との共演を見ることができましたが、時間の経過とともに笠雲が上昇し、ロール状の吊るし雲に沿うように進み、不思議と龍のような形状になっていました。それは富士山から湧き出た大きな龍のようにも見え、徐々に黄金色に輝いていったのです。

神話や伝説上の生物である龍は水を好み、雷鳴のような鳴き声で嵐を呼び竜巻となって天空に昇り飛翔すると言われます。この写真はまさにそのような状況を撮影した一枚で、大地のエネルギーの源であり水の神とされる龍が、富士山の力を得て金色に輝きながら昇り出た、圧倒的かつ広大な状況を画面いっぱいに収めています。梅雨が長引き空気中に大量の湿気がある稀な気象条件下で、湿度を辿って富士山のエネルギーを持つ特別な金龍が現れたと言えるような光景で、大変なことが起こったと思いました。

富士×龍の究極の組み合わせ！！

富士山は霊峰、龍は神の使いと表現され、開運や縁起の良い事案として持ち出されます。富士山から金色に輝く龍が昇り行く写真を飾り眺めることで、写真のイメージから、より良いことが起こるよう願うとともに、皆さまの心の糧となれば嬉しく思います。